読書感想

『GEQ』阪神淡路大震災にまつわる都市伝説と陰謀論

2010年に発行された『GEQ』は柴田哲孝氏の大震災をテーマにした小説で「GEQ」は、「Great Earth Quake」(巨大地震)の略となっています。阪神淡路大震災にはある陰謀が隠されていたという内容で、著者の柴田氏はもともとこの内容をノンフィクションとして作品化する予定だったのですが、物証がないことから空白の部分を創作で補って小説化したものとなります。柴田氏はノンフィクション作品も多く執筆されているため、取材も緻密に行われている印象があり物語のリアリティを高めるものになっています。


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キーワードは人工地震

主人公は日系アメリカ人フリージャーナリストの松永、そこに震災で家族を失った女性ジャズシンガーのCHISATOがからみます。作中で松永はアメリカの9・11同時多発テロに関するアメリカ国家の陰謀を書籍化するも、CIAからの圧力で出版中止を食らう過去があります。国家の陰謀では必ず出てくるCIAはやっぱり外せません。キーワードとなってくるのは、人工地震。多分に都市伝説のテイストも入っていますがさすがに宇宙人は出てこないので理論の組み立てには納得しやすい。科学的な検証がなされているかどうかは実際にわかりませんが、一つの仮説としてこんな意見もあるかとモノの見方を考えさせられます。

震災時に何があったのか

ジャーナリストが主人公であるためストーリーに合わせて取材という形で、阪神淡路大震災の時に現場で起こっていたことを様々な証言者が語ってゆきます。また巻末にも数十冊の参考文献が挙げられており、この物語にリアルさや真実味をプラスしています。

東日本大震災前に書かれた作品

この小説が書かれたのは2010年ですが、その後2011年3月に東日本大震災が発生しています。作品中でも描かれていましたが、阪神淡路大震災の当時政権は社会党の連立政権であり東日本大震災の時は民主党の連立政権でした。また、作品中で主人公が阪神淡路大震災の教訓を踏まえた自衛隊法の改正について調べると、原子力災害派遣時の規定についての記述が続く・・とする文章があります。後から見れば、福島の原発事故を予見していた??ということですが、偶然の一致というものはこんなところにも現れるのでしょうか。都市伝説のミスター関さんばりに、信じるか信じないかはあなたしだいと言いたくなりますが、作家の想像力は隠された真実を発掘するのかもしれません。


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