読書感想

剣豪小説好きにオススメの格闘マンガは『修羅の門』と思う3つの理由

言わずと知れた有名なマンガだと思うが、やっぱり『修羅の門』を挙げたい。

修羅の門(第1巻) (講談社漫画文庫) [ 川原正敏 ]

修羅の門(1) (月刊少年マガジンコミックス)

 

『修羅の門』は陸奥圓明流という1000年不敗の古武術を継承する主人公「陸奥九十九」が様々な強者と闘うバトルマンガである。

『修羅の門』は大まかに、第一部と第二部(タイトルは修羅の門第弐門)に分かれている。

第一部では、陸奥九十九が日本国内の異種格闘技大会で闘う→アメリカへ渡りボクシングのヘビー級王座を目指し闘う→ブラジルの異種格闘技大会(バーリトゥード)で闘う。

第二部は、ブラジルでの異種格闘技大会後行方不明となり数年が経過。(このときケンシン・マエダという柔術家と決闘し一時記憶を失う)ある日、日本の総合格闘技界にて復活をはたすとともに、かつてのライバルとの再戦へと進んでゆく。

理由1:絵が暑苦しく無い

昔から格闘モノのマンガは絵が暑苦しいように思う。筋肉バキバキで、汗が飛び散るような感じで・・・文字通りの『バキ』とかが代表的かと思う。しかしながら、『修羅の門』は絵の中にある線の書き込みがマイルドだからかサラッとした感覚の絵になっている。

理由2:スポーツマンシップにあふれている

主人公陸奥九十九は、背負っている1000年不敗の陸奥圓明流の継承者なので、相手の土俵で戦って勝つスタイルとなる。このため、相手が時には卑怯と思える手段できてもそれを凌駕して相手を倒すことになる。バトル後はボロボロにはなっているけども・・・

一応、格闘技モノであるため戦いの中での「死」の問題は出てくる。結局人を殺すことができることとできないことが「強さ」の分かれ道になっている表現はあり、またそれを超えた先に掴める何かがあることが示されている。戦国時代ならいざ知らず、現在の法治国家では認められないことをエンターテイメントの範囲で上手く描いていると思う。

理由3:難しい技術論がない

格闘技に詳しい訳では無い方々にとっては、ややこしい技術論が出てくると物語が頭に入りにくくなってしまう。その点マンガでは絵で動きがわかるため認識しやすいという利点がある。また、戦いの途中で外野の人々(師匠やかつてのライバルなど)がうまい具合に解説してくれる。もちろんリアル系であるけれど、あくまでマンガなのでファンタジーであることを認識して楽しむと良い。

自身の手で陸奥圓明流を終わらせようとする九十九の思いや強さを求めるライバル達の思いは男女問わず胸にくるものがある。

 

歴史寄りの作風が好きな方には『修羅の刻(しゅらのとき)』もある。

『修羅の刻』の物語のコンセプトは、歴史の裏にはいつも「陸奥」が居た。というものである。このため、出てくる登場人物がバラエティーに富んでおり厳格な歴史愛好家にはお叱りを受けてしまうかもしれない架空の設定内容となっている。


修羅の刻(1)【電子書籍】[ 川原正敏 ]

修羅の刻(1) (月刊少年マガジンコミックス)

 

主な歴史上の登場人物をまとめると以下の通りである。

宮本武蔵編:宮本武蔵など

幕末風雲編:坂本龍馬、近藤勇、土方歳三、沖田総司など 

アメリカ西部編:ワイアットアープなど

寛永御前試合編:柳生十兵衛、宮本伊織、東郷重位など

源義経編:源義経、弁慶、源頼朝、奥州藤原氏など

織田信長編:織田信長、明智光秀、雑賀孫一、今川義元、武田信玄など

西郷四郎編:嘉納治五郎、西郷四郎、前田光世など

雷電為右衛門編:雷電為右衛門など

昭和編:実在の人物は不明

東国無双編:本多忠勝など

西国無双編:立花宗茂など

 

修羅の門の「歴史」の中でも、本家の「陸奥」と分家の「不破(ふわ)」という二つの血統がどのように生まれてきたかを書いている。「不破」は第一部の日本での異種格闘技大会の最後にいきなりでてくるのであるが、第弐門及び修羅の刻にて両家の誕生から現代につながる歴史を描いている。

歴史のファンタジーをエンターテイメントとして楽しめるならば面白く読める物語となっている。